【評価段階】
★★★★★──読まねばならない。
★★★★───読んだ方がよい。
★★★────参考程度に。
★★─────暇なら読めば?
★──────見なかった振りで通り過ぎよ。

【わ】
渡辺由文
渡辺由文『時間と出来事』★★★★★(20140829)

中央公論新社2010
 人はよく「時は流れる」とか「時間が過ぎ去るということを口にする。だがこうした表現は、よく考えてみると少し変だ。誰も時間などみたことも聞いたことも触れたこともないのに、、どうしてそれが「流れる」とか「過ぎ去る」と言えるのだろうか。(pi)
 「時間」を、「出来事」と関連させて論じる画期的な時間論。時間は空間の「比喩形式」である、という内容を、アリストテレス、アウグスティヌス、ベルグソン、フッサール、ウィリアム・ジェイムズ、マクタガートなどの主張を検討しつつ展開していく手続きには説得力がある。ただし、そもそも時間は、太陽の位置と出来事が結びつけられるところに始まる、という著者の主張の根本に若干の飛躍があるような気はするのだが。ともあれ平易な語り口であるので簡単に読み進められる。近年の著作だが、時間を考える上では重要な一冊であるだろう。









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