【Q】

Queen

QueenQueenII(1974)
01 Procession
02 Father to Son/父より子へ
03 White Queen(As it Began)
04 Some Day One Day
05 The Loser in the End
06 Ogre Battle/人食い鬼の戦い
07 The Fairy Feller's Master-Stroke/フェリーフェラーの神技
08 Nevermore
09 The March of the Black Queen
10 Funny How Love is
11 Seven Seas of Rhye/輝ける7つの海
 Queenの楽曲は今現在でもなおメディアにおいてよく耳にする。しかし問題なのは、それらが例えばWe will Rock You及びWe are the ChampionsI was Born to Love Youなど、既に知名度の高い曲ばかりだということである。選曲が実に安易極まりなく、かつセンスがない。と言うのも実は彼らの楽曲には、知名度が高いゆえに返って知られていない名曲が多いからである。特にこのアルバムにはQueen史上の最高傑作が収められている。
 従ってこのアルバムはQueen屈指の名盤だろう。発売当時のアナログ盤ではSide-A(1-5)がWhite Side、Side-B(6-11)がBlack Sideと名付けられていた。明と暗、静と動の対比が強く打ち出されたこの作品から、Queen独特のコーラスとギターの多重録音によるロックオペラの特徴が現れ始める。6曲目から11曲目まで切れ目無く続くBlack Sideにその傾向が顕著なのだが、中でも最大の山場が組曲March of the Black Queenである。この曲と同様のコンセプトにおいて作られたのが、4枚目のアルバムに収められ、驚異的なヒットを記録したBohemian Rhapsodyということになるだろう。ただし、後者の曲構成はかなりオペラよりで、やや中だるみの感があるが、その点このMarch of the Black Queenは展開がめまぐるしく多彩で、個人的にはこれがQueen最大の名曲である、と思う。
 また、Processionにおいて聞けるBrian May独特のバイオリンの音色を模したギターにも注目する必要があるだろう。
 それにしても、セカンドアルバムであるこの頃から既にFreddie Mercuryの歌の巧いこと!  ついでに言えば、しばらくの間("Flash Gordon"あたりまで)クレジットされる"No Synthesizer"という言葉にも注目。

QueenSheer Heart Attack(1974)
01.Brighton Rock
02.Killer Queen
03.Teniment Funster
04.Flick of the Wrist
05.Lily of the Valley(谷間のゆり)
06.Now I'm Here
07.In the Lap of the Gods(神々の業)
08.Stone Cold Crazy
09.Dear Friends
10.Misfire
11.Bring back that Leroy Brown
12.She Makes Me (Stormtrooper in Stilettos)
13.In the Lap of the Gods...Revisited(神々の業)

14.Stone Cold Crazy (1991 Bonus Remix by Michael Wagener)
 第二作をベースにしてデビュー作の「重さ」を加えたようなアルバム。組曲は収録されていず、長いもので5分未満の曲が並ぶ。とにかくバラエティに富むのがQueenのアルバムの特徴ではあるが、中でも目まぐるしいほどの曲調の変化を見せる。その中でも特にKiller QueenIn the Lap of the Godsは、全二作のアイデアが程良くミックスされた両曲。後者はさらにそこに宗教性を添加した荘厳な曲で、2バージョン用意されていて必聴もの。

QueenA Day at the Races(1976)
【華麗なるレース】
01 Tie Your Mother down
02 You Take My Breath away
03 Long away
04 The Millionaire Waltz
05 You and I
06 Somebody to Love/愛にすべてを
07 White Man
08 Good Old Fashioned Lover Boy/懐かしのラヴァー・ボーイ
09 Drowse/さまよい
10 Teo Toriatte/手をとりあって
 Bohemian Rhapsodyを収録した前作"A Night at the Opera(オペラ座の夜)"の陰に隠れて今一つ正当な評価を得られないでいる不遇のアルバム。例えばTie Your Mother downはいかにもストレートなロック・ミュージックであり、またYou Take My Breath awayはピアノをバックにしたコーラス主体というように、前作に比較してシンプルさが前面に出ていて、それゆえに地味な印象を受けはする。しかしシンプルなだけに彼らのユニークな音作り──既成の楽器によって(しかもシンセサイザーに頼ることなく)どれだけ豊かな音色が表現できるか──がよりはっきりと聴き取れるのである。そして特筆すべきはBohemian Rhapsodyから余計な装飾を削ぎ落とした感のあるSomebody to Love及び日本語によって歌われるTeo Toriatteの二つの名曲であるだろう。どちらも聞いている方が恥ずかしくなるような歌詞であり曲調であるのだが、それをこれだけ堂々と歌われればもう降参するしかない。

QueenNews of the World(1977)
【世界に捧ぐ】
01 We will Rock You
02 We are the Champions/伝説のチャンピオン
03 Sheer Heart Attack
04 All Dead,All Dead
05 Spread Your Wings/永遠の翼
06 Fight from the Inside/秘めたる炎
07 Get Down Make Love
08 Sleeping on the Sidewalk/うつろな人生
09 Who Needs You/恋のゆくえ
10 It's Late
11 My Melancholy Blues
 第6作にして、Queen史上最も不遇なアルバム。その理由は言うまでもなく、We will Rock YouWe are the Championsが売れ過ぎたこと。おそらくはその2曲さえ入っていればいいというので、ベスト版ばかりがやたら売れてしまい、そのせいでこのアルバムの他の曲が顧みられないという意味において。しかし実はSpread Your WingsIt's Lateなど、佳曲が隠れている。盛り上がり方は後者2曲の方が上でさえある。また、3枚目のアルバムタイトルであったSheer Heart Attackが、このアルバムに曲として収録されていることも記しておくべきだろう。

QueenThe Works(1984)
01.Radio Ga Ga
02.Tear It up
03.It's a Hard Life
04.Man on the Prowl
05.Machines (or 'Back to Humans')
06.I Want Break Free
07.Keep Passing the Open Windows
08.Hammer to Fall
09.Is This the World We Created...?

Bonus Tracks
10.I Go Crazy
11.Radio Ga Ga (Extended Version)
12.I Want to Break Free (Extended Mix)
 タイトルも、そしてジャケットもやっつけ仕事感満載であるのだが、実はかなり重要度の高いアルバム。その理由は何よりも、Queen史においてそれほど名曲を作ってこなかったドラムのRoger Taylorの、奇跡の傑作Radio Ga Gaが収録されているということに尽きる。改めて言うまでもないことだが、かの人物の名前のもとになる曲名でもある。ベーシストJohn DeaconI Want Break Freeも佳曲。ということは、その他の二人はこのアルバムにそれほど力を傾注していない、ということでもあるだろう。

QueenMade in Heaven(1995)
01.It's a Beautiful Day
02.Made in Heaven
03.Let Me Live
04.Mother Love
05.My Life has been Saved
06.I was Born to Love You
07.Heaven for Everyone
08.Too Much Love will Kill You
09.You don't Fool Me
10.A Winter's Tale
11.It's a Beautiful Day(reprise)
 Freddie Mercuryの死後に発表された、FreddieがボーカルであるQueenのアルバム。とは言え、Freddieのソロアルバムや未発表曲に他のメンバーが手を加えて仕上げられた曲ばかりであるのだが。ともかくFreddie-Queenのラストアルバム。この先、同じ企画が実現すれば、ラストではなくなる可能性もあるけれども。「スタジオで加工された曲」ではあるものの、単なるオムニバスに止まらない完成度はなかなかに高く、いかにもQueenな編曲がなされている。しかしやはり全編にわたって沈痛な重苦しさが漂う。



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