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Nightwish

NightwishAngels Fall First(1997)
01.Elvenpath
02.Beauty and the Beast
03.The Carpenter
04.Astral Romance
05.Angels Fall First
06.Tutankhamen
07.Nymphomaniac Fantasia
08.Know Why the Nightmare Sings
09.Lappi(Lapland)
   I.Erämaajärvi
   II.Witchdrums
   III.This Moment is Eternity
   IV.Etiäinen

[Bonus Tracks]
10.A Return to the Sea
11.Nightwish(demo)
12.The Forever Moments(demo)
13.Etiäinen(demo)
 Nightwishのデビュー作。後の曲風に比較すればかなりメタル色が強く、オーケストレイションは控え目。それゆえ音は厚いのにも関わらず、ファンタジー志向はむしろ後の作品よりも強い印象がある。それがタイトルにも表れていて、elf、carpenter、angel、Tutankhamenといった名詞が並ぶ。さらにはキーボード担当かつバンドリーダーのTuomas Holopainenが頼りなさ気な、しかし味のある暖かさを持ったボーカルを執る曲が収録された唯一のアルバム。バンド自身にとっても異色作と言えよう。

NightwishOceanborn(1998)
01.Stargazers
02.Gethsemane
03.Devil & the Deep Dark Ocean
04.Sacrament of Wilderness
05.Passion and the Opera
06.Swanheart
07.Moondance
08.The Riddlers
09.The Pharaoh Sails to Orion
10.Walking in the Air
11.Sleeping Sun

[Bonus Tracks]
12.Nightquest
13.Sleeping Sun(live)
14.Swanheart(live)
15.The Pharaoh Sails to the Ocean
 前作に見られたTarjaの硬さが消え、楽曲もこなれてきた2作目。各曲のタイトルだけ見ていると、まるでファンタジー小説の挿入歌のようであるが、しっかりとヘヴィメタルに仕上げられている。一方でロシア民謡の雰囲気を持つインストゥルメンタル曲、Moondanceや、Walking in the Airのようなカヴァー曲(これはかのRainbowもカヴァーした曲であるが、そのRainbowの代表曲に、Stargazerがあるのだが、Nightwishのこのアルバムの一曲目もStargazerであるのは偶然だろうか)、そしてケルトの位相を纏う超名曲Sleeping Sunなど、多方向への興味も見せる意欲作。

NightwishWishmaster(2000)
01.She is My Sin
02.The Kinslayer
03.Come Cover Me
04.Wanderlust
05.Two for Tragedy
06.Wishmaster
07.Bare Grace Misery
08.Crownless
09.Deep Silent Complete
10.Dead Boy's Poem
11.FantasMic

[Bonus Tracks]
12.Sleepwalker(original version)
13.Wanderlust(live)
14.Deep Silent Complete(live)
 “Once”発表によって印象が薄れてしまった感はあるものの、佳曲が並ぶ3rdアルバム。Tarjaのボーカルからもオペラ臭さが程良く抜けて、聞き易くなっているし、そのボーカルをできるだけ活かそうとする曲作りがなされているように感じる。She is My Sinはライブでも定番の一曲で、中間部のギターソロが疾走感を持ちつつも美しい作品。白眉はWanderlust冒頭、ギターとピアノによる超速パッセージでのアンサンブルだろう。ごく短いのだが、まるでKing Crimson21st Century Schizoid Manの間奏部のようなスリリングな展開である。しかしその出だしの割りに些か尻すぼみなのが残念だが。タイトル曲Wishmasterは、そのままファンタジー映画のサウンドトラックに使えるクオリティのスピード感に溢れた曲。その他、Deep Silent CompleteDead Boy's Poemなども名演奏である。

NightwishCentury Child(2002)
01.Bless the Child
02.End of All Hope
03.Dead to the World
04.Ever Dream
05.Slaying the Dreamer
06.Forever Yours
07.Ocean Soul
08.Feel for You
09.The Phantom of the Opera
10.Beauty of the Beast
    i.Long Lost Love
    ii.One more Night ot Love
    iii.Chrisabel

[Bonus Tracks]
11.Lagoon
12.The Wayfarer
13.Blass the Child(edit)
14.End of All Hope(live)
15.Dead to the World(live)
ベース担当が、自身も他のバンドでリーダーを務めるMarco Hietalaに代わったことで、実に魅力的なサポートボーカルを手に入れた4作目。そして現Nightwishがここに実質的な誕生を果たしたと言える。現在でもライブで演奏される曲目の殆どは今作以降の作品であり、たとえばこのアルバムではBless the ChildEnd of All HopeDead to the WorldEver Dreamがそれにあたる。さらにMarcoの参加がThe Phantom the Operaのような純然たるオペラ楽曲の再現をも可能にしていることは特筆すべきだろう。それ以外の楽曲も水準以上で一切埋め草的な作品は存在しない。

NightwishOnce(2004)
01.Dark Chest of Wonders
02.Wish I Had an Angel
03.Nemo
04.Planet Hell
05.Creek Mary's Blood
06.The Siren
07.Dead Gardens
08.Romanticide
09.Ghost Love Score
10.Kuolema Tekee Taiteilijan
11.Higher than Hope

12.White Night Fantasy
13.Love to Tell the Tale
 Tarja Turunenが参加した、最後のスタジオアルバム。壮大なシンフォニーと、固く締まった音作りで畳み掛ける作品となっている。中でも10分を超える大作Ghost Love Scoreは、どこをどう押せばこのような戦慄を覚える展開を思いつくのか理解できない位の、美しい傑作。隠し味的にシタールやハープが使用されているのも心憎い。途轍もない拡がりを持つ伴奏に乗せて、死者の愛の歌が幅広い音域で歌われる。人によってはQueenBohemian Rhapsodyや、Led ZeppelinStairway to Heavenをも凌ぐ、と評価するほど。ともあれシンフォニック・メタルの一つの到達点であるのは間違いない。この曲を現ボーカルのAnetteが歌えるとは考えられず、それゆえライブではもはや聴くことが不可能なのが残念。なお、11.と12.は日本版ボーナス・トラック。

NightwishEnd of an Era(2006)[DVD]
01.Dark Chest of Wonders
02.Planet Hell
03.Ever Dream
04.The Kinslayer
05.Phantom of the Opera
06.The Siren
07.Sleeping Sun
08.High Hopes
09.Bless the Child
10.Wishmaster
11.Slaying the Dreamer
12.Kuolema Tekee Taiteilijam
13.Nemo
14.Ghost Love Score
15.Stone People
16.Greek Mary's Blood
17.Over the Hills and Far Away
18.Wish I Had an Angel
 オペラ+メタル+シンフォニーという特徴を持つフィンランドの異色バンド、NightwishによるヘルシンキでのライブDVD。全く同じ内容の2枚組CD付属。特徴のうちオペラの側面は主にVocalTarja Turunenの歌唱法にある。楽曲にPhantom of the Operaが存在するのもそれが理由だろう。しかしそのTarjaはこの公演の後解雇されたためこの編成での実質上最後のライブでもある。また、High HopesPink Floydの、Over the Hills and Far AwayGary Mooreの曲。しかし何と言ってもこの映像で注目すべきは、ギターと言えばバンドの主役であり、曲への入り方やフレーズの悉くが見事にツボを押さえていて、本来ならば最も輝いているはずなのに、他のメンバーが個性的すぎてその前に霞んでしまっているギター担当Emppu Vuorinenの影の薄さであろうか。

NightwishDark Passion Play(2007)
01.The Poet and Pendulum
02.Bye Bye Beautiful
03.Amaranth
04.Cadence of Her Last Breath
05.Master Passion Greed
06.Eva
07.Sahara
08.Whoever Brings the Night
09.For the Heart I Once Had
10.The Islander
11.Last of the Wilds
12.7Days to the Wolves
13.Meadows of Heaven
14.The Escapist
 ボーカルがスウェーデン人のAnette Olzonに交代して発表されたアルバム。前作までのボーカリスト、Tarja Turunenとの歌唱法や声質の違いを受けて、楽曲の雰囲気も大きく異なり、タイトル通りによりダークな雰囲気が漂う。中でも15分近い長さの大作The Poet and Pendulumは、このアルバムのために組織したオーケストラをフルに使って、ポーの「陥穽と振り子」にインスパイアされたと思しき静と動、静けさと力強さとが対比的な曲である。オーケストラが使われているためにギターやキーボードがやや抑え気味で、そのためかどことなく上質なサウンドトラックアルバムといった印象がある。また、For the Heart I Once Hadは、新ボーカリストAnetteの特徴がよく分かる佳曲。

NightwishIMAGINAERUM(2011)
01.Tailatalvi
02.Storytime
03.Ghost River
04.Slow,Love,Slow
05.I Want My Tears Back
06.Scaretale
07.Arabesque
08.Turn Loose the Mermaids
09.Rest Calm
10.The Crow,the Owl and the Dove
11.Last Ride of the Day
12.Song of Myself
      I:From a Dusty Bookshelf
      II:All That Great Heart Lying Still
      III:Piano Black
      IV:Love
13.IMAGINAERUM
 フィンランドのSymphonc Metalバンド、Nightwishの7作目にして、2代目VocalAnette Olzon参加2作目。オルゴールの音色に載せてアルバム中唯一、フィンランド語で歌われるTaikatalvi(=Winter Magic)を始めとして、全編サーカス色に染められたアルバム。ホラー映画のサウンドトラックに使えそうな楽曲が並ぶ。音は重めでかつ歯切れがよいのが特徴。特にStorytimeは名曲。

NightwishShowtime, Storytime(2013)
01.Dark Chest of Wonders
02.Wish I Had an Angel
03.She is My Sin
04.Ghost River
05.Ever Dream
06.Storytime
07.I Want My Tears Back
08.Nemo
09.Last of the Wilds
10.Bless the Child
11.Romanticide
12.Amaranth
13.Ghost Love Score
14.Song of Myself
15.Last Ride of the Day
16.Outro: Imaginaerum
 3代目VocalとなるFloor Jansenを迎えての、Nightwishの2013年8月のツアーライブDVD。2枚組CDに加えて、ドキュメントDVD付き。前VocalAnette Olzonは、ライブに弱いという印象があった。初代VocalであるTarja Turunenの楽曲の多くが声質上歌えない、もしくは苦しい歌唱法になるのに加えて、自分自身のオリジナル楽曲にさえ苦しげな印象があった。それがFloor Jansenに交代してからは、前2代Vocalの楽曲が悉く完璧に歌えるばかりか、その上でオリジナルの味付けをも加えている。特に白眉はStorytimeと往年の名曲、Ghost Love Scoreだろう。更にAnette時代の曲が意外とライブ映えすることに気付いたのも収穫である。DVDの音声はギターの音が強く、反対にキーボードの音が弱く、どちらかと言えばヘヴィメタ寄りであるが、聴いているうちにそれもあまり気にならなくなる。

NightwishEndless Forms Most Beautiful(2015)
01.Shudder before the Beautiful
02.Weak Fantasy
03.Élan
04.Yours is an Empty Hope
05.Our Decades in the Sun
06.My Walden
07.Endless Forms Most Beautiful
08.Edema Ruh
09.Alpenglow
10.The Eyes of Sharbat Gula
11.The Greatest Show on Earth
     Chapter I)Four Point Six
     Chapter II)Life
     Chapter III)The Toolmaker
     Chapter IV)The Understanding
     Chapter V)Sea-Worn Driftwood
 オランダからFloor Jansenを迎えての初のスタジオアルバム。たとえば一曲目のShudder before the Beautifulに対してはアルバム“Once”Dark Chest of Wondersが、というように、各曲ごとに過去の曲が透けて見える巧妙な作りである。かつ、携帯音楽プレイヤーではわからないが、かなりの重低音が鳴り響く「下に重い」アレンジで、作りの軽いスピーカーでは鳴り負ける可能性さえある。ところが曲調はシンフォニックでありメタルであるのにも関わらず不思議と明るい。明るいとは言えそれは薄暮の明るさであって、陽光が燦々と降り注ぐ、というものではないのはやはりフィンランドのバンドであるがゆえか。新たに加わったイリアン・パイプス奏者のTroy Donockleyにより、音の色彩が増えた上にコーラスにも厚みが増した全11曲中の白眉と言えばやはり24分に及ぶThe Greatest Show on Earthである。まさに圧倒的。21世紀版&メタル版“原子心母”。一方でとても残念なのは、あのいかにも「絵になる」ドラマー、Jukka Nevalainenが、不眠症に由来する体調不良でこのアルバムには不参加となり、ためにあの「ペタペタ」とすら形容したくなる金属質のバスドラムの音がここには存在しないことである。



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