【D】

David Bowie

David Bowie"Heroes"(1977)
01.Beauty and the Beast/美女と野獣
02.Joe the Lion/ライオンのジョー
03."Heroes"
04.Sons of the Silent Age/沈黙の時代の子供たち
05.Blackout
06.V-2 Schneider
07.Sense of Doubt/疑惑
08.Moss Garden
09.Neuköln
10.The Secret Life of Arabia/アラビアの神秘
Dabid Bowie70年代の傑作であり、発売当初のアナログ盤で言えばB面の大半がインストゥルメンタルであるという、相当に実験的な作品でもある。プロデュースにRobert Frippを起用し、激しくないわけではないのに何故か冷たさが漂うアルバムに仕上がっている。それも後半のインストゥルメンタルに因るところが大きいだろう。さて、タイトルにもなった"Heroes"だが、"We can……"、"We can……"と繰り返されるにもかかわらず絶望感の漂う名曲。前半の押さえ気味のボーカルが後半の、半ば狂気じみたシャウトへ転換するとともに、Frippのギターがヒステリー気味に絡んでいくのが素晴らしい。なお、この曲はBlondieがライブでRobert Frippをゲストに迎えて演奏したことがある一方、King Crimsonの2000年のライブでもアンコールにおいて演奏された。


Delain

DelainWe are the Others(2012)
01.Mother Machine
02.Electricity
03.We are the Others
04.Milk and Honey
05.Hit Me with Your Best Shot
06.I Want You
07.Where is the Blood
08.Generation Me
09.Babylon
10.Are You done with Me
11.Get the Devil out of Me
12.Not Enough

[Bonus Tracks]
13.The Gathering(live)
14.Control the Storm(live)
15.Shattered(live)
16.Sleepkeepers Dream(live)
17.Come Closer(live)
 「我々こそが他者である」という、「他者」論を多少なりとも囓ったものには堪らないタイトルを持つ“We are the Others”は、元Within Temptationのキーボーディストが中心となって結成されたDelainのサード・アルバム。Within Temptationに比較すればコンパクトかつポップである。が、何よりも際立つのはCharlotte Wesselsの粘り着くようなボーカルだろう。特にタイトルチューンWe are the Othersは名曲。なおこの曲にはピアノのイントロから始まり、比較的シンプルなアレンジのアルバム・バージョンと、コーラスから始まるシングル・バージョンがあるらしく、アルバム・バージョンの方が20秒長い。


Dream Theater

Dream TheaterFalling into Infinity(1997)
01.New Millenium
02.You not Me
03.Peruvian Skies
04.Hollow Years
05.Burning My Soul
06.Hell's Kitchen
07.Lines in the Sand
08.Take away My Pain
09.Just Let Me Breathe
10.Anna Lee
11.Trial of Tears
   I-It's Raining
   II-Deep in Heaven
   III-The Wasteland
 全ての曲がJames LaBrieのボーカルを中心にして、歌を引き立たせるために構成されていると覚しきアルバム。つまり、かなり「普通」の、聞き易いアルバムではある。複数のリズムが複合して織り上げられるインストゥルメンタルの佳曲Hell's Kitchenを折り返し点として、器用にも多様な歌唱法が楽しめる曲が並ぶ。特にバラードのHollow YearsLines in the Sandのギター・ソロは屈指のフレーズを繰り出す。Trial of Tearsの中間パートII-Deep in Heavenにおける柔らかいトーンのギターと、対照的にヒステリックなキーボードの掛け合いは、U.K.Nevermoreを彷彿とさせて素晴らしい。なお、タイトルである“infinity”がジャケット写真の双眼鏡イメージ(∞)によって表現されているという凝り方も面白い。

Dream TheaterMetropolis PT2:
SCENES FROM A MEMORY(1999)
ACT I
01.SCENE ONE:Regression
02.SCENE TWO:I.Overture 1928
03.                  II.Strange deja Vu
04.SCENE THREE:I.Through My Words
05.                     II.Fatal Tragedy
06.SCENE FOUR:Beyond This Life
07.SCENE FIVE:Through Her Eyes
ACT II
08.SCENE SIX:Home
09.SCENE SEVEN:I.The Dance of Eternity
10.                     II.One Last Time
11.SCENE EIGHT:The Spirit Carries on
12.SCENE NINE:Finally Free
 一つのコンセプトのもとに、アルバム全体である物語を描き出す、ということが得意だったのはPink Floydであるが、それが“The Wall”あたりでは長すぎて返って散漫になった上に、曲の悉くが線が細く、佳曲が少ないという欠点を抱えてしまった。このアルバムは、その“The Wall”とほぼ同じ長さでありながらも、力強く、かつ流麗でメロディアスである。四人の人物が、その前世の運命を交えながら展開されるヘヴィメタル+プログレッシブ+オペラという、贅沢な傑作。尚PT:2であるのは、アルバム“Images and Words”Metropolis-PartIが収録されているからである。つまりこのアルバムは、Metropolice-PartIの積分的再解釈である訳で、冒頭にMetropolice-PartIのフレーズがちらりと顔を覗かせている。エスニックなリフによって牽引され、引きずるようなVocalが印象的なHomeの名曲ぶりが際立つ。

Dream TheaterTrain of Thought(2003)
01.As I am
02.This Dying Soul
03.Endless Sacrifice
04.Honor Thy Father
05.Vacant
06.Stream of Consciousness
07.In the Name of God
 ジャケットからも窺える通りのダークでヘヴィな曲が並ぶ。とは言え、曲の合間に突如としてバラードが紛れ込んできたりするので油断がならない。タイトルのthought、曲名のconsciousnessなど、前作“Six Degrees of Inner Tuburence”から引き続く「内面」思考はここに来てさらに深みを増している。特記すべきことはインストゥルメンタル曲Stream of Consciousnessの流麗さ、そしてIn the Name of Godの壮大さだろう。

Dream TheaterOctavarium(2005)
01.The Root of All Evil
02.The Anser Lies within
03.These Walls
04.I Walk beside You
05.Panic Attack
06.Never Enough
07.Sacrified Sons
08.Octavarium
 通算8枚目のスタジオアルバムは、ジャケット写真が計8個の振り子からなり(しかもそれがピアノの鍵盤を模していて、黒い鳥が黒鍵の位置にあるがゆえに、「オクターヴ」に通じる)、曲の総数が8曲であるなど、多様な仕掛けが施された“Octavarium”である。注目すべきは24分ちょうど(8の3倍、しかもこの曲は5パートからなり、3,5,8はフィボナッチ数列を形づくる)のタイトル曲、Octavariumだろう。まるでPink FloydShine on You Crazy Diamondのように始まり、Genesisのような中間部を持ち、EL&Pのように終わりながらも、オリジナリティにも溢れた名曲。なお、01.は、このアルバムに始まり“Black Clouds & Silver Linings”に終わる、アルバム間組曲《Alcoholics Anonymous》の第一曲。

Dream TheaterScore
20th Anniversary World Tour(2006)[DVD]
[Disc One]
Set1 - Dream Theater
01.The Root of All Evil
02.I Walk beside You
03.Another Won
04.Afterlife
05.Under a Glass Moon
06.Innocence Faded
07.Raise the Knife
08.The Spirit Carries on
Set2 and Encore with the Octavarium Orchestra
09.Six Dgrees of Inner Turbulence
10.Vacant
11.The Answer Lies within
12.Sacrified Sons
13.Octavarium
14.Metropolis

[Disc Two]
(Bonus Material)
01.The Score So Far...(20th Anniversary Documentary)
02.Octavarium Animation
03.Another Day(Live in Tokyo - August 26th 1993)
04.The Great Debate(Live in Bucharest - July 4th 2002)
05.Honor Thy Father(Live in Chicago - August 12th 2005)
 オーケストラとの共演による2006年ニューヨークの20周年記念ライブ映像。注目すべきはその共演であって、中でも特筆すべきはスタジオアルバムの時点で既にオーケストラが導入されていたSix Dgrees of Inner Turbulenceと、Octavariumの完全再現だろう。このライブ映像でも、メンバーの超絶的な技巧が冴え渡る。

Dream TheaterBlack Clouds & Silver Linings(2009)
【Disc One : Black Clouds & Silver Linings】
01.A Nightmare to Remember
02.A Rite of Passage
03.Wither
04.The Shattered Fortress
05.The Best of Times
06.The Court of Tuscany

【Disc Two(Bonus Disc : Uncovered 2008/2009】
01.Stargazer
02.Tenement Funster / Flick of the Wrist / Lily of the Valley
03.Odyssey
04.Take Your Fingers from My Hair
05.Larks Tongues in Aspic PT.2
06.To Tame a Land
 前作Systematic Chaosの続編という印象を受ける。悪くはないが、一曲が長い気がするのは、実際に長い(最長の06.が19分、その他01.04.05.が10分オーバー)上に、展開がある意味パターンだからだろうか。むしろ最も短く5分半の03.の方が締まって聞こえる程だ。そして「通過儀礼」というタイトルの02.は穏当な名曲。なお、“Six Degrees of Inner Turbulence”以来継続されてきた組曲《Alcoholics Anonymous》の完結曲である04.は、過去のフレーズが次々に登場するモザイク・メドレー。しかしこのアルバムの白眉はむしろボーナス・ディスクの方にある。こちらは他バンドのカヴァー集であり、注目すべきはRainbowStargazerQueenTenement Funster / Flick of the Wrist / Lily of the Valley、そしてKing CrimsonLarks Tongues in Aspic PT.2だろう。

Dream TheaterA Dramatic Turn of Events(2011)
01.On the Backs of Angels
02.Build Me up, Break Me down
03.Lost not Forgotten
04.This is the Life
05.Bridges in the Sky
06.Outcry
07.Far from Heaven
08.Breaking All Illusions
09.Beneath the Surface
 ドラマー交替を経ての新生Dream Theater第1弾は、前作で目立っていたリズムの重さが消え、メロディ中心の音作りとなった。特にBreaking All Illusionsは、YesEndless Dreamにも通ずる、変拍子かつテンポの速いリフ(しかもとても一度聴いただけでは覚えきれない複雑さ)でボーカル部分を挟んだ前半部から、ハモンドオルガン調のキーボードをバックにした、さながらSantanaEurope風の中間部へと移り、再び変拍子のエンディングへと至るモザイク状の作りでありながら不自然さはなく、12分半というアルバム中最長の曲ながらその長さを感じさせない、おそらくはDream Theater史上屈指の名曲。もちろんこの曲が、2012Japan Tourのエンディング曲となった。

Dream TheaterDream Theater(2013)
01.False Awakening Suite
   i.Sleep Paralysis
   ii.Night Terrors
   iii.Lucid Dream
02.The Enemy inside
03.The Looking Glass
04.Enigma Machine
05.The Bigger Picture
06.Behind the Veil
07.Surrender to Reason
08.Along for the Ride
09.Illumination Theory
   i.Paradoxe de la Lumière Noire
   ii.Live, Dei, Kill
   iii.The Embracing Circle
   iv.The Pursuit of Truth
   v.Surrender, Trust & Passion

10.The Enemy inside(Instrumental/Bonus Track)
 前作から2年目にして早くも新作である。しかもバンド初のセルフタイトルでもある。前作が余りにも出来が良かったため、当然期待するところなのだが、その期待は良い意味で裏切られた。流麗なメロディや華麗なアンサンブルはきっぱりと拭い去られ、その代わりにさらに複雑極まりないリフを主体としたリズムが畳み掛けてくる。一聴して即、名作だと判断できるものはない。ところが何故か繰り返し聴かずにはいられない。厚く厚く塗り重ねられた油絵の、その筆遣いの一つ一つを確認してゆくような、そんな聴き方になってしまう。嗜好品的なアルバム。特に22分を超えるIllumination Theoryは、YesClose to the EdgeDream Theater版だと言えるだろう。前作以上にベース音がはっきりと聞き取れるミキシングも好ましい。

Dream TheaterLive at Luna Park(2013)
01.Bridges in the Sky
02.6:00
03.The Dark Eternal Night
04.This is the Life
05.The Root of All Evil
06.Lost not Forgotten
07.Drum Solo
08.A Fortune in Lies
09.The Silent Man
10.Beneath the Surface
11.Outcry
12.Piano Solo
13.Surrounded
14.On the Back of Angels
15.War inside My Head
16.The Test that Stumped Them All
17.Guiter Solo
18.The Spirit Carries on
19.Breaking All Illusions
20.Metropolis Pt.1

【Bonus Tracks】
01.These Walls
02.Build Me up, Break Me down
03.Caught in a Web
04.Wait for Sleep
05.Far from Heaven
06.Pull Me under
 2011年、“A Dramatic Turn of Event”発表後から行なわれたワールド・ツアーから、2012年8月にブエノスアイレスでのショーを収録したライブBD。これは日本公演の4ヶ月後にあたる。そして日本公演とアルゼンチンでのセットリストにはかなりの違いがある。まず、曲数が後者ではかなり増えているし、曲順にも変更が加えられているようだ。おそらくは映像記録用の特別なセットリストだと考えられる。発売時期を半年延期、かつBDメディアだけあって、ともかく映像はクリアなことこの上なく、手元中心の収録方法も心得たものである。次々と繰り出される変拍子に眩暈を誘うような転調、吹き荒れる超絶技巧、それでいて正確無比なアンサンブルが2時間半、満腹になるまで楽しめる。新加入のドラマーの「屋台」ドラムセットも見物。

Dream TheaterBreaking the Fourth Wall(2014)
【Act 1】
01.The Enemy inside
02.The Shattered Fortress
03.On the Backs of Angels
04.The Looking Glass
05.Trial of Tears
06.Enigma Machine
07.Along for the Ride
08.Breaking All Illusions

【Act 2】
01.The Mirror
02.Lie
03.Lifting Shadows off a Dream
04.Scarred
05.Space Dye Vest
06.Illuminasion Theory
    i.Paradoxe de la Lumière Noire
    ii.Live,Die,Kill
    iii.The Embracing Circle
    iv.The Pursuit of Truth
    v.Surrender,Trust & Passion

【Encore】
01.Scene Two : I.Overture 1928
02.Scene Two : II.Strange Deja Vu
03.Scene Seven : I.The Dance of Eternity
04.Scene Nine : Finally Free
 2014年3月25日のボストン・オペラ・ハウスにおけるライブBD。選曲はかなり幅広く、最新アルバムDream Theaterを中心にしているわけではない、というのがかなり魅力的である。というのも新加入ドラマーによる、旧作の再演がどのように曲に影響するのかが見られるからだ。結果としてオリジナルに忠実でありながらも個性的でもある素晴らしい演奏であった。加えて前作のライブに比べて音質も格段にクリアであって文句がない。映像も当然ながら手元中心。かつキーボード、ドラム、ギターの超高速アンサンブルが一画面で見られる編集も好ましい(ベースも含めて欲しかったが)。そして、個人的にはあの名作からの抜粋をオーケストラを交えて演奏するアンコールの4曲に惹かれる。


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